【いい話】ウチの子にならない?

夜の公園不思議系のいい話
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51: 本当にあった怖い名無し 2009/02/07(土) 22:42:33 ID:/EVMaF3z0

それは丁度今の時期、12月24日のクリスマス・イヴになると起きる。

俺の友人夫妻の住むマンモス団地のとある棟で、十数年前に起こった悲劇。
クリスマスを目前に控え、幸せである筈の家庭に悲劇が起こった。
以前より浮気性で家族を悩ませていた夫が、
離婚を申し出た妻に土下座して謝罪し、二度としないと誓った年のイヴの夜。
夫が、勤務する会社の若い娘と一晩を過ごし、再び家庭を蔑ろにした。
妻と娘は愛する夫、そして父の帰りを待ち夜明けを迎えた。
翌日の昼過ぎに帰宅した夫の目に飛び込んできた光景は、
彼にとっては自業自得だったろう。


妻は、幼い娘と共に命を絶っていた。

それから数年後、その家族の住んでいた棟の横に有る公園で、
イヴの夜に愛らしい少女がブランコに乗っている光景が目撃されるようになった。
数年前の事件を知っている住民は、見覚えの有る少女が何者なのか察し、
涙を流して哀れに思いつつ気付かない振りをするしかなかった。
少女はブランコに乗り、キイキイと揺すりながら愛する父の帰りを待ち続けるだけ。
新しい住民が不審に思い、少女に離し掛けても少女は首を振りながら
「パパが帰ってくるまで待っているの」と言うばかり。
翌日、その住民は古い住民から話を聞き、ぞっとすると共に哀しい少女の為に涙を流した。

948: 本当にあった怖い名無し 2009/08/27(木) 02:09:02 ID:lQjed1080

>>51良い話だ。少女がブランコでパパ待ってるってとこでグッと来る

52: その2 2009/02/07(土) 22:43:59 ID:/EVMaF3z0

そんな事が毎年の様に繰り返された数年前のイヴの夜。
一組の若い夫婦が引っ越して来た。
仲睦まじい夫婦だが、子供が欲しくても出来ない事が唯一の悩みだった。
越してきた年のイヴ、夫婦は少女の霊に出会い、声を掛けるが少女は
父を待っていると言い、俯くだけ。
翌日、隣の奥さんから少女の話を聞いた夫婦は哀しい少女の為に涙する。


そして、翌年。

再び夫婦は少女に出逢った。
そして、この一年間相談してきた通りに少女に話しかけた。
「あなたのパパは帰って来れないから、ウチの子にならない?」と…
少女は驚き、そして涙を流しながら「うん」と嬉しそうに頷き、すーっと消えてしまった。
その後一年が経ち、夫婦はイヴの夜にケーキとおもちゃを用意して公園を訪れたが、
少女は現れなかった。
年が明け、夫婦水入らずでお屠蘇と御節を頂いている時の事。
妻が突然の吐き気にトイレへと駆け込む。
慌てた夫が救急車を呼び、病院で診断されての結果は…
「おめでたですよ」
そして、二人は玉の様な女の赤ちゃんに恵まれた。


「…それが、今お前の膝に乗っている俺達の娘さ」
彼は微笑みながら、俺の膝でこっくりこっくりと眠り掛けている娘を見詰めた。
「さあ、
○○さん、熱燗ですよ」
奥さんが笑いながら俺にお酌をしてくれる。
今は、幸せになれたんだね。
俺は膝の上の愛らしい娘に向かい、そっと心の中で呟いた。

引用元: https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1231943568/

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