【恩義】おんおんと声を上げていつまでも泣いていた。

古民家なんかいい話
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308: おさかなくわえた名無しさん 2007/04/27(金) 09:34:40 ID:merfFnPY

昭和20年代の話。

うちの母の母の実家は裕福な農家で、食糧事情がよくない中、金銭的にも
食べ物にもまったく不自由しない暮らし。
母の祖母は出し惜しみしない性質で、近隣の人や客をこころよくもてなし、
また気配りもできるひとなので、周囲から慕われていたらしい。

そのころ近くの山の中に、戦争で身内一切を喪ったおばあさんがひとりで住んでいた。
おばあさんはもともとの障害なのか、つらい運命や境遇のせいなのか、

おかしくなってしまっていて、小屋ともいえないぼろぼろの建物で暮らし、
山の食料が尽きると人里にさまよい出てきていた。
そのたびに、母の祖母は家に呼んで銀シャリのおむすびを食べさせ、

(当時はさつまいもが主食の家も多く、大御馳走)
おみやげにもたくさんもたせた。
身なりも整えてあげ、親身に話しかけていた。
(おばあさんにはその言葉や内容自体は理解は出来なかったようだけれど。)


そんなある日、母の祖母は亡くなって、盛大な葬儀が営まれた。
ちょうどそのとき、おばあさんはいつものように山から下りてきた。
いつもと違う様子にまごつくおばあさん。
事情を知っている参列者が、子どもに話すようにゆっくりとわかりやすく
祖母の母が亡くなったことを伝えると、おばあさんはうずくまり、

おんおんと声を上げていつまでも泣いていた。

持てる者が持たざる者に分け与えただけだから、

母の祖母がすごくいい人とはいえないし、ありがちな話かもしれないけれど、
幼い母の目を通した体験記として聞くと胸に迫って…。
おばあさんを助ける余裕がないにしろ、存在自体は許容していたり、
「あのおばあさんに良くするんだからうちにも援助しろ!」
などと言い出さない周囲の人は、いい人たちだと思います。

309: おさかなくわえた名無しさん 2007/04/27(金) 10:50:48 ID:usYXAFHB

>>308
ありがとう、心があったかくなったよ。

310: おさかなくわえた名無しさん 2007/04/27(金) 10:57:55 ID:EpwobYpj

>>308
凄くいい話だ。

> おばあさんを助ける余裕がないにしろ、存在自体は許容していたり、
> 「あのおばあさんに良くするんだからうちにも援助しろ!」
> などと言い出さない周囲の人は、いい人たちだと思います。
>
物凄く同意。
自分もそうありたいと思う。

312: おさかなくわえた名無しさん 2007/04/27(金) 13:35:17 ID:LlCowNEz

>>308
>おばあさんを助ける余裕がないにしろ、存在自体は許容していたり、
>「あのおばあさんに良くするんだからうちにも援助しろ!」
>などと言い出さない周囲の人は、いい人たちだと思います。

って言える>>308もいい人だなあって思う。
いい人って本当に巡るんだな。

313: おさかなくわえた名無しさん 2007/04/27(金) 15:01:32 ID:4hz2pdDx

>>308
泣けてしまった

引用元:https://life8.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1173747603/

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