229: 素敵な旦那様 04/12/26 22:22:29
厳しい父でした。
「負けるな、なんでも一番になれ」
小さい頃からいつもこう言われていた。
一代で千名弱の従業員を有する会社を作り上げ、
家族にも社員にも厳し過ぎるくらいの男でした。
正直こんな父のような男にだけはなりたくなかった。
そんな父が末期がん宣告、気丈に振る舞いテキパキと部下に指示を出す。
日増しに衰える父。
そんなある日、父が
「おい、会社に連れて行ってくれ、頼む。」
最後の最後まで仕事の鬼は変わらないと思った。
会社に付くとそのまま社内にてマイクを握る。
社内スピーカーから聞こえる父の声
「皆様、○○です、お仕事ご苦労様です。
本日は皆様に謝らなければいけません。会社の為が皆様方の為と、
信じて生きてきましたが、どうも過ちでした。
今まで厳しく辛い思いをさせて申し訳ない、
もう少し早く気づくべきでした。心から謝ります、すみません」
会社に玄関先で見送る人の目に涙、握手求める方、階上から手を振る人。
私に一言
「強く生きるな、優しく生きてくれ、すまんかった、かぁちゃんにはもっと
あやまらんとな・・・」
初めて父を誇りに思った日でした。
引用元: https://human5.5ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1100174799/
コメント