【犬なごみ】去年の今頃、父が亡くなった。

犬犬ほのぼの
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811 :本当にあった怖い名無し:2008/06/04(水) 09:49:17 ID:O/fMgOJm0

全部読まないで書き込む。許してくれ。

去年の今頃、父が亡くなった。
父が入院してからの1年間は、母もつきっきり
弟はすでに家を出ていたので、いつも私と二人きりだった。

父が仕事から帰る数分前になると、いつも玄関で待っていた愛犬。
さぞ寂しかろうと思っていたが、人間で言えば70も過ぎた老体。
少しボケが入っていたせいか、

父がずっと帰っていないことに気が付かなくなっていた。
それも不幸中の幸いだったんだろうか。

父が変わり果てた姿で帰って来た時も、至って冷静だった。
「なんか人が増えたな」くらいの反応。
変におどおどするわけでもなく、かといって元気がないこともなく。

愛犬にも父と最後の別れをさせてあげようと家族で相談し、
愛犬を床の間に上げた。
不思議そうな顔をして近寄る愛犬。
そこに横たわっている人間が父であるということにも気が付かないようだ。

とりあえず匂いをかがせてみた。

その瞬間、もう走ることもできないくらい足が弱っていたはずの愛犬が
畳の上をすべるように慌て出し、父を包んでいた布団に失禁した。
そして挙動不振のまま、部屋を去っていった。

愛犬は気が付いたんだろうか。
それに気が付き、恐ろしくなって失禁したんだろうか。
人間には分からない「臭い」を察知しただけだったんだろうか。

最後に、自分の匂いをつけたかったんだろうか。
それは、愛犬にしか分からない。

812 :本当にあった怖い名無し:2008/06/04(水) 09:57:26 ID:O/fMgOJm0

愛犬はその後、日を追うごとに弱っていき、去年の大晦日に亡くなった。
享年15才。柴犬にしては大往生だと聞いたが、

もしかしたらもっと長生きできたんじゃないだろうか。
近所にいた別の柴犬も一家の主人が亡くなった後、

突然弱っていって亡くなったと聞いた。
たとえボケていても、たとえ「たかが」犬でも、

大好きな人の死だけは理解できるんじゃないだろうか。
もしそうだとしたら…犬のくせに感情表現が乏しかった愛犬の

その悲しみに気が付いてやれなかったこと、
愛犬にとっても最後の1年だった時期に、父の看護があったとはいえ
かまってやれなかったことが悔やまれてならない。

ただ唯一の救いは、愛犬がひとりぼっちで死ななかったということ。
私たちもその時はそばにいたが、輪廻が本当なら、まだ父は天国にいて
愛犬を迎えてあげていたはずだから。

余談だが、この愛犬と一緒に暮らしていた猫はひなまつりの日に亡くなった。
2匹とも仲が良かったが、
犬猫ともども、カレンダーに何か書いてある日に亡くなるなんて
たいしたことないかもしれんがなんか不思議だ。

引用元: https://hobby11.5ch.net/test/read.cgi/occult/1195272207/

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