【外国いい話】「荷物もお金も諦めなさい」そう言いましたが。

ロンドン外国人のいい話
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506 :異邦人さん :2006/11/14(火) 19:01:41 ID:/YytKmNC

バルカン・エクスプレスで南下。
ザグレブに着いたのは4時間遅れだった。
全く言葉の判らない不安からだろう。
たまたま車内で見た日本人と、

互いに心細い笑顔を交わし同じコンパートメントに居た。

「何か食べ物買ってくる」
僕はホームに出た。混雑している売店でバナナとビールを買った。
ホームで叫び声。振り返った。

列車が既にホームを出外れカーブに差し掛かっていた。

呆然とベンチに座り込んだ。楽器のケースに大金を仕舞っていた。
ぼんやりタバコを吸っていたら、

青年が僕をチラチラ見ながらやって来た。
「日本人ですか?」ドイツ語だったのでホッとした。
事情を何とか話した。
「友達を連れて来ます」彼が立って行った。

数分で戻った彼が差し出したのはシュナップスだった。
「今はこれが2番目の友達だね」そう言って受け取った。
彼の顔が笑みに満ちた。
ドイツの設計事務所で働いている。

上司が日本人でとても優しい人、等と話した。

次の列車が出るまでの4時間の間、
僕がするべきことをアドバイスし、
ベオグラードの大使館の電話番号を調べてくれた。
最後にタバコとシュナップスを買って来て車内の僕に渡した。
笑顔で手を振っていた。そして見えなくなった。

その日本人は列車の終着駅、
イスタンブールで24時間寝ないで僕を待っててくれました。
「荷物もお金も諦めなさい」大使はそう言いましたが。

引用元: https://love6.5ch.net/test/read.cgi/oversea/1033250805/

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