559: おさかなくわえた名無しさん 2009/07/23(木) 21:59:34 ID:wvw4JWPg
10年近く前、自分が中学生の時の話。
修学旅行で京都に行ったんだが、
学校の方針でグループ行動ではなく一人歩きをした。
(もちろん事前に計画して教師の了解をもらう。)
自分は「苔」をテーマにいくつかの寺を見てまわり、
そのメインとして苔寺(西芳寺)に行った。
この苔寺なんだが、拝観にははがきでの予約が必要。
予約すると時間を指定され、その時間に行かなければならない。
しかも庭を見る前に参拝者みんなで写経をする、
という海外からの観光客には敷居の高いシステム。
自分が行った日には十数人の客がいたんだが、
その中に欧米人4~5人の集団がいた。
写経にものすごく苦戦していたのを見かねた住職が、
流暢な英語で「ほどほどに書いたら庭を見に行っていいよ」と促していた。
この集団が庭に行ったあとに、自分も庭に行った。
庭には順路があって一方通行なので、できるだけゆっくり進んだ。
隅から隅まで見るつもりで、あちこちで立ち止まり、写真もたくさん撮った。
が、かなりゆっくり進んだにもかかわらず、例の集団に追い付いてしまった。
彼らは自分以上に真剣に苔を見ていて、
ふと立ち止まっては数分間無言で苔を眺め続けたり、
人目もはばからずに地べたに這いつくばるような姿勢で写真を撮ったりしていた。
最初、門のところでみかけたときはわいわい賑やかに話していたのに、
あまりにも集中して苔を眺めている彼らの姿にすごくなごんだ。
苔の美しさは外国の方にも通じるんだなと、
子ども心に嬉しかったのをよく覚えている。
引用元: https://changi.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1247737790/
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