【外国人なごみ】遠くの木の下で何かが動いている。

国旗いろいろ外国人のいい話
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27: おさかなくわえた名無しさん 2009/06/25(木) 14:02:12 ID:famo8lOX

白人様白人様うるさいから黒人様の話でも書くかw
せっかくだから書籍風にでも。



私が幼い頃、高速道路のサービスエリアを親に連れられて歩いていた時。
ふと、親の歩みが止まった。状況が分からない私もとりあえず立ち止まった。
「ねぇ、なんだろう、あれ。」と母が言うと、
祖母も「えーと・・・?」と目を凝らす。
遠くの木の下で何かが動いている。
夕陽に照らされた木の影になっていて暗いところで、何かが動いている。
私が近づく。親も少し近づく。

そこは、遠巻きに人々の視線を集めているようだった。
「熊が出るような山の中でもないし、何だろうね」などと祖母が言う。
服のようなものが見えた。あ、人だ。踊ってる・・・?
母は何事にも口やかましいたちなので、
「知らないものに近づかないほうがいい」だの

「殴られたりしたらどうするんだ」だの大声で言っている。
祖母が「聞こえたらどうするの?」と言うと黙る。

でもまたすぐにグズグズ始まる。
私は二人につかまれた腕を振り振り引っ張りながら近づく。
だんだん人の姿がはっきり見えてくる。3人。アフリカ系の人のようだ。


初めて見たムスリムの祈りだった。

近くで見たのは後にも先にもこれ一回だと思う。
神道や仏教の儀式にほとんど興味を持たなかった私の心に、
初めて何らかの感動をもたらしたようだった。
相変わらず先代と先々代は私の後ろで私の手をつかんだまま悶着しているが、
私は彼らを見続けた。礼儀にうるさい家で育ったが、
見ることが失礼だとか、そういう感情はどこかへ飛んでいた。

続く

29: おさかなくわえた名無しさん 2009/06/25(木) 14:25:45 ID:famo8lOX

つづき。


彼らは祈りを終えて敷物を片付けていた。
遠巻きに事の次第を見ていた人々も帰ってゆくようだった。
私は今度は彼らの持つコンパスのようなものを見つめていた。

彼らのうちの1人が気づいて、私のほうを見て笑った。
きっと目を真ん丸にでもしていたのだろう。
「ボッチャン、ミル?コレ?」と私にコンパスを向ける。
よく覚えていないが、いつの間にか彼らは私の近くにいて、
先代と先々代は私より少し前に出ていた。警戒していたんだと思う。
顔に皺をたたえていたので、あまり若くない人だったようだが、
子供を見る笑顔は夕陽に照らされて輝いていた。

後の二人は先に行ってしまうようだった。

こちら側のお二人はよそよそしい笑顔で、
「綺麗な模様(のコンパス)ですね」「どこからいらしたんですか」とか
「子供がすみません、小さいですから・・・」なんて言っている。
私は渡されたコンパスと皆の顔を見ていた。
祖母が何か母親に言って、母親が駐車場の車のほうに小走りしていく。
すぐ戻ってきた母親の手には、お菓子の袋があった。
祖母が受け取って「これ、お詫びに・・・」と差し出すが、
「イイデス、イイデス」と受け取ってくれなかった。
動作が日本人みたいだったのをよく覚えている。
「日本ハミナサンイイ人デス。アリガタイデス。夜、トンカツタベタイネー」
その時の私たちは「この辺ってトンカツ有名だっけ(・q・)?」と

ポカーンだったのだが、
場を和ませようとしてくれたオジサンなりのジョークだったのだと思う。

暗くなってきたのでその後お礼を言ってコンパスを返し、

すぐに別れてしまったが、私に手を振るおじさんの顔は今でも忘れられない。

引用元: https://changi.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1245852674/

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