82: おさかなくわえた名無しさん 2009/06/25(木) 21:58:54 ID:jw9CNX+/
ドナルド・キーンが京都に留学生として下宿していたときのこと。
「或る晩のことです。十五夜で、それはそれはきれいな月の晩でした。
私は大学からの帰り途、その月を見上げて
惚れ惚れしながら京都の町を歩いておりました。」
キーン博士は思ったのだそうだ。
こんな月の光に照らされた竜安寺の石庭はさぞ美しかろう。
是非見てみたい。博士はその足で竜安寺へ向かった。
当時(大戦前)の京都の寺はいずこも終日門が開いていて、
人の出入りも自由だったという。
「私は竜安寺の門をくぐって本殿に入り、
あの有名な石庭を前にした縁側に座り込みました。
月光に照らされた石庭の美しさ。私はしばらく身動きができませんでした。
三十分、いえ小一時間ほども私はぼんやりと庭を眺めていました。
もう十分すぎるほど石庭に見惚れた後です。
ふと傍らへ目をやると同時に私は驚きました。
いつの間にか私のそばに、一杯のお茶が置いてあったのです。
誰が?いつの間に?どうして?想像するしかないのですが、
おそらくお寺の誰かだったのでしょう。
外国人の若い学生が石庭に見惚れているのを見て、
邪魔をしないように、そうっとお茶を置いていってくれたのです。
私は、とても感激しました。」
こんなもてなし方ができる民族は日本人だけだ、と博士は思ったそうである。
「そして、だからこそ私は日本のことが大好きになりました。」
引用元: https://changi.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1245852674/
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