【不思議なごみ】亡くなった母方の祖父の話です。

大きな木不思議系のいい話
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857: 1/3 2008/12/01(月) 20:53:03 ID:7yH84bS10

長くてダラダラした内容だけど、お付き合い下さい。

数ヶ月前に亡くなった母方の祖父の話です。
何ヶ月も入院しており、亡くなる直前は完全に呆けていました。
その間、母はずっと病院に泊まり込んで看病していました。
私は実家を離れているので、死に目にあうことは出来ませんでした。

駆けつけた時、祖父の遺体は既に葬儀場に運ばれていました。
ですが、祖父は何処にもいませんでした。
遺体はあるのですが、祖父自身の気配が全くしないのです。
「お祖父ちゃんは?」と私が聞くと、

「姉にどこか行っとるみたい」と答えられました。
間に合わなかったことを何て詫びようか考えていたのに、
居ないと分かると悲しさも引っ込んでしまいました。


母方の実家は霊感が強い家系で、
私にも少しだけそういう感みたいなものがあります。
霊と会話したりは出来ませんが、気配に敏感なんです。
ですから、親戚の葬儀の後などに

「おいちゃん、縁側のところに座っとったね~」
なんて話を、母と姉と私の三人でしたりしたこともありました。
父はそういうものを信じない人なので内緒ですが。

海外に赴任している叔父の帰国が遅くなることもあり、
私達が交代で葬儀場で遺体の傍にいることになりました。
あれって、親類が付いててお線香を絶やさないようにするもんなんですね。
姉の次に、私が一晩一人で付き添うことになりました。
その間、祖父の気配はずっとありませんでした。
亡くなる前は、院内を放浪したり暴れたりして散々母に苦労をかけたくせに、
死んだら何処かに行ってるなんてなんだか悔しくなりました。
堪らず、「せめてお母さんにお礼言ってから死になよ・・・」
なんて遺体に話しかけてしまいました。

858: 2/3 2008/12/01(月) 20:54:32 ID:7yH84bS10

一晩経ち、交代のため母が来ました。
すると、いきなり祖父の気配がしました。
「お母さん・・・」
「・・・うん。やっと戻って来たんやね。」
暫く母と私は二人でお茶を飲んでました。
戻ってきたからって話せるわけでもありませんから。
そろそろ交代しようかと言うときに、いきなり胸が苦しくなりました。
涙がボロボロ出て、切ない気持ちで一杯になりました。
祖父が帰ってきて悲しさが戻ってきたのかと思いましたが、
どう考えてもそういう切なさじゃないんです。


感謝の気持ちだ、と分かりました。
そう認識した途端、どんどん私のものでない意識が流れ込んできました。
『迷惑を掛けた。本当にありがとう。感謝してもし切れない』
ああ、お祖父ちゃんだ。そう思いました。
同時に、それが母に向けられた言葉なのだと分かりました。
私は怪訝そうにする母にしゃくり上げながら祖父の言葉を伝えました。
すると、母も堰を切ったように泣き出しました。
流れ込んでくるあまりに強い気持ちに耐えかねて
「何で私に言うんよ!お母さんに直接言ってよ!」と叫ぶと、
「照れとるんやろ」と母は泣きながら微笑みました。
祖父はちょっと頑固な人で、正直に気持ちを言えない照れ屋でした。
なので私を介したのだろうと母は言いました。
お礼を言えって言った私にその役を任せたのかも知れません。
その日は帰宅する気になれず、また一晩母と泊まりました。
うつらうつらとしていると、何かに頭を撫でられました。
それは懐かしい、ごつごつした祖父の手の感触でした。

859: 3/3 2008/12/01(月) 20:56:24 ID:7yH84bS10

翌日に叔父。翌々日に叔父の妻と従兄弟達が葬儀場に着きました。
その時も、自分ではない何かの意識が湧いてきました。
『忙しいのに、悪いな。よう来てくれたな。』
『生きてるうちにもう一度会いたかったよ。』って。
叔父は兎も角、従兄弟達は霊感ないみたいなので、
そんな話しても笑われるよなーと思って話しませんでした。
どうも、葬儀が終わるまで私と祖父は一時的に繋がってたみたいです。
だって、会った事も無い遠縁の人が来たらムカついてしょうがなかったんですから。
(祖父とその人は相当仲が悪かったそうです・・・)

結局、私には一言も無しでした。
心の中で話しかけても返答はくれないし。
まあ、頭撫でてくれたのは凄く嬉しかったけどさ・・・。

それともう一つ。
後日、祖父が何処に行っていたのか分かりました。
13年前に祖母が先に亡くなってて、看取ったのは叔父と祖父でした。
叔父曰く、祖母の死に際に祖父はこう言ってたんだそうです。
「あの大きな木の下で待っててくれ」って。
大きな木とは、二人の思い出の場所らしいです。
つまり、死んで真っ先に祖母が待っている場所に行ったんですよ。
生前も仲良かったけど、死んでもなおバカップル・・・いや、愛妻家かな。
こっちは呆れればいいのか、照れればいいのか・・・。
でも、二人仲良くしてるかなと思うと孫として少し誇らしくなるのです。

長々と失礼しました。

引用元: https://anchorage.5ch.net/test/read.cgi/occult/1204804472/

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