【不思議なごみ】今頃どんな本を読んでたのかと考える

月夜不思議系のいい話
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951: なご 2007/08/05(日) 22:32:58 ID:V1S0L7t+0

夏だからこそのなごみ。なごめなかったらごめん。

614 名前:1/2[sage] 投稿日:2007/08/04(土) 15:28:16 ID:lzIpLcby
去年の今頃の話だが

その頃俺は、昔のSF小説にはまってた
ノリが良くて勧善懲悪なところが、何かスカッとして面白くて、
復刻版の文庫を買ってきては読んでいた

ある晩、本を読みながら眠ってしまった俺は、
ふと気配を感じて目を覚ました
部屋の隅に人が居た

30過ぎくらいの女で、夏なのにセーターと長くて分厚いスカート
壁にもたれて座り、本を読んでいる
ものすごく驚いたが、寝ぼけているせいか不思議と怖くなかった
おばさんだがよく見ると、

前に見たアメリって映画の主人公に似ていて結構見られる
何となくぼーっと見ていると、女がこっちを向いて笑った
「こういうの好きなら○○に聞いてごらん。まだあるから」
そう言って持ってた本をこちらに見せた
寝る前に読んでたスペースオペラだった

そこで目が覚めた。朝になってた
変な夢だなーと思ったが、部屋の隅をみてびっくりした
俺のSF本が数冊重ねて置いてあった
そして一番上に寝る直前まで読んでた本が、きちんと置いてあった

952: なご 2007/08/05(日) 22:34:31 ID:V1S0L7t+0

615 名前:2/2[sage] 投稿日:2007/08/04(土) 15:29:37 ID:lzIpLcby
マジかよ、としばらく頭を抱えたが、ふと気になった
女が言っていた○○って誰だ?
俺の周りで○○って名前は父親だけだ
他に思い当たる相手もいないし、早速仕事から帰ってきたら聞いてみた
一応夕べの文庫本と、姉からアメリのDVDも借りておいた

最初父はお前大丈夫か?と言う顔をしていたが、
本とDVDを見た途端、態度が変わった
「姉ちゃんか・・・そういやもうじき盆だったな
よし、今度の休み墓参りに行くぞ。お前も来いよ」

その姉ちゃんは、正確には父の従姉だったそうだ
父より10歳近く年上で、良く面倒を見てもらったらしい
何か変わった人で本と香水と古い香水ビンが大好きで、
35で死ぬまで独身だったそうだ、
だけどすごく優しくて、父も周りの人にも好かれていたそうだ
母とも仲が良かったらしく、そういえば何か話を聞いた覚えもある
母が宝物にして飾ってあるビンのコレクションが、その人の形見だったとか
絶版品で貴重品とか言ってて、昔姉が勝手に触って怒られていた

何で俺のとこに出てきたんだろうと聞くと父は、
「嬉しかったんだろ。姉ちゃんこういう話好きだったからな」
それから休みになって父の実家に行くと、
父の言葉通りに物置からどっさり本が出てきた
その中に昔のハヤ○ワSF文庫の初版も山ほど混ざってた
俺の読んでた本もそこにあった
時々、この人が生きててくれたら、今頃どんな本を読んでたのかと考える

引用元: https://anime2.5ch.net/test/read.cgi/doujin/1182891438/

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