【黒歴史】その場に存在するのも恥ずかしくて

黒歴史なんかいい話
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680: 素敵な旦那様 2006/02/03(金) 23:14:37

何年か前、私はスキンヘッドに憧れていたが、
女なので簡単に剃り上げるわけにも行かず 悶々としていた。
ふと、小学校の頃、ちぎった新聞を水溶き糊にひたし、

風船に貼って、張子を作ったのを思い出した。

これでカツラが作れるのではないか、と急にワクワクした私は、

善は急げとばかりに文房具屋で糊と風船と半紙
(新聞の後、半紙で表面を仕上げる)と絵具を買った。

鏡を見ながら頭と同じくらいの大きさまで風船を膨らまし、
ちぎった新聞をペタリペタリと風船に貼った。

一層目ではまだまだだった風船カツラが、層を重ねるごとに本格的になり、

しっかりとしてある程度の加工に耐えられるレベルになった頃、
いよいよだな、と半紙を貼って仕上げに入った。ここまでに半月かかった。

十分乾燥させ、頭の形を想定しながら張子をカットし、

絵具で自分の肌の色を観察しながら色を作り、最後にニスを塗ってテカテカにした。
完成品をかぶってみたら、多少いびつなでこぼこはあるものの、
かなり本気くさいスキン ヘッドが鏡の向こうからこちらを見ていた。
あんまりうれしくて、写真を何枚も撮り、

カツラも捨てるのが惜しくて大事に取っておいた。

結婚して5年。子供が忘れたはずのカツラをかぶっていた。ぶかぶかだった。

慌てて自分の部屋へ行くと、夫がカツラの内部に保管していた写真を見て爆笑していた。
そのまま飛び出して3時間ほど近所の河原を放浪していたら、
血相を変えた父親に発見され、家に連れ戻された。
玄関でくしゃくしゃな泣き顔の夫が「ごめん、本当にごめん」と謝っていて、
蒼白な顔の私の両親が「何があったかしらんが、とにかく話し合いなさい」と言った。
カツラにまつわる過去の全てが恥ずかしくて飛び出したのに、
さらに大事に発展してて全ての事情を説明するのも、
その場に存在するのも恥ずかしくて死にそうだった。

引用元: https://human5.5ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1130500556/

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